GORO 映画のしゃべり場

管理者 アライ・クマ

地獄でなぜ悪い

 やーむやくちゃな映画です。心して観てください。

 血の海で滑ります。腕や頭が飛びます。刀が頭に突き刺さります。

 園子温監督はすごいもの作りましたね。

ヤクザの組長・武藤(國村隼)は獄中にいる妻・しずえ(友近)の夢を叶えるために、本業そっちのけで娘・ミツコ(二階堂ふみ)を主演にした映画の製作を画策している。面会の度にしずえに対して、撮影は順調に進んでいると場を取り繕う武藤。しかし、肝心のミツコは男と逃亡中、そして、しずえの出所まではあと9日しかない。金に糸目をつけず、片っ端から撮影機材のレンタルをしながら、なんとか娘の身柄を確保した武藤は、ミツコから(実はすべて嘘なのだが)映画監督と紹介された駆け落ち男・公次(星野源)を監督に抜擢し、本格的に撮影準備を始める。映画監督として騙しながら映画を撮影しないと殺される公次は、右も左もわからぬまま、オールヤクザのスタッフの質問攻めに対応していくが、限界に達しその場を逃げ出してしまう。簡単に追っ手の組員に捕まってしまう公次であったが、そこに奇跡のような助っ人が現れる。それは「いつか一世一代の映画を撮りたい」と、少年期から映画監督を夢見る平田(長谷川博己)であった。映画の神様は自分を見捨てていなかったと、満を持して撮影内容の段取りを始める平田は、武藤と敵対するヤクザ組織の組長であり、過去の衝撃的な出会いからミツコに異様な愛情を抱く池上(堤真一)に協力を要請する。かくして、ホンモノのヤクザ抗争を舞台にした、スタッフ・キャストすべて命懸けの映画が、電光石火のごとくクランクインしようとしていた・・・。


映画『地獄でなぜ悪い』予告編 - YouTube

ヒミズ

DVD視聴「ヒミズ

映画は、福島の津波後のがれきの街から始まる。

主人公は、中学生。絶望の中でストーリーが展開する。

しかし、この映画が「3.11」映画の枠の中にいないのは、主人公は、被災者でないこと。親から捨てられることでの、アイデンティティの喪失がテーマになったと思う。

このことで、3.11は、背景になり、少年の救済がテーマとして浮き出される。

観客を楽にしてくれない映画は、シネコンでなく、単館で観たいものだ。(クマ)

映画『ヒミズ』予告編 - YouTube

2012.7.3(tue)ブルーレイ&DVD発売! 映画『ヒミズ』公式サイト

舟を編む

日本アカデミー賞 最優秀作品賞おめでとう!
 
あの「小さいおうち」の黒木華が終盤に登場。新人俳優賞を受賞していますね。
ファッション誌部門から異動で来るのですが、最初は自分のやっていた雑誌を名刺がわりに主人公のマジメに見せます。「なんで私がこんなマイナーな部署に…」感が漂います。歓迎の飲み会でも、「私、シャンパンしか飲めない」と。
それが、徐々に変わって行くのですが、社員食堂で元同僚との再会場面では、本を読みながら食事をしています。元同僚からも「あなたも変人」と言われます。ちょうどこのシーンは、マジメさんが、スカウトされる場面とかぶっています。
 あの昭和初期の女を演じていた黒木とは思えない演じ分けに驚きです。もしかしたら、いい役者さんなのかもしれません。
 
原作を読んでいるのですが、原作の方がH度があったのですが、そこらへんは映画なので、カットしたみたいですね。(クマ)
 

小さいおうち(ネタバレ?)

 1日の映画の日に「小さいおうち」を観てきました。ほぼ満員の観客でした。

 ストーリーは、公式ホームページをご覧ください。予告編を貼っておきます。


『小さいおうち』予告編 - YouTube

 昭和初期、東京郊外に佇む赤い屋根の家に奉公する女中タキが見た、ある“恋愛事件”。その時、タキが“封印した秘密”が、60年の時を経た平成の今、タキにつながる青年の手で紐解かれていく。真相をつまびらかにするカギは、大学ノートに綴られたタキの自叙伝と、一通の宛名のない未開封の手紙にあった。時代が許さなかった恋愛事件の主役である女主人・時子の思いがけない運命と、彼女を慕い続けたタキ。それぞれが胸に秘めた切ない想いとは──?

感想1

 映画は観ていないのですが、「永遠の0」の原作と構成的には似ていると思いました。過去と現在を孫がつなぐ形になっています。

 また、日常の楽天的な生活の中に、こっそりと戦争が入り込んでくる様子が、現代に通じると、監督は言いたかったのかもしれません。

 話は、変わりますが、冒頭の吹雪のシーンが、長岡・栃尾で撮られているので、公開前から関心のあった映画です。

感想2(ネタバレ?)タキは、誰が好きだったのか?

  時子の友人の口から「学生時代から、誰にでも好かれる人物だった。結婚すると聞いて自殺しそうになった人もいた」という情報が語られます。タキが時子を(独占したくなるほど)好きになるという伏線でしょうか。

 板倉に召集令状が来て、報告に来て帰るとき、板倉は、タキを抱きしめ、「時子とタキのために死ぬ」と「タキ」に言います。また、終わりのシーンで恭一は、よくタキと板倉と海に行ったと回顧します。時子も一緒に行ったとは言わなかった気がします。海岸で、トキと板倉は親密に語り合ったのではないでしょうか。

 以上、2つの理由のどちらかか、どちらもか、わかりませんが、そのことが、時子の手紙の処理に影響を与えたのではと想像します。

感想3 トキはなぜ、「長生きしすぎた」と号泣したのか?

 何回か、同じシーンが登場しますが、どうも違和感を感じました。また、時子夫婦が、空襲で死んだというところで、語りは「いつも」終わると。

 私は、トキのアパートにあった、小さいおうちの絵がキーワードではないかと考えました。あれは、板倉の描いたものでしょう。とすると、いつ、トキはもらったのでしょう。たびたび遊びに来たときでしょうか。それなら、その場面か、女中部屋に飾ってある場面があってもいいと思うのですが。(なかったですよね)また、展覧会に飾ってあった似たような「小さいおうち」の絵は、戦後に描かれたと職員が言っていました。

 そこで、私の想像では、同じ東北人であり、終戦後生き延びた板倉は、トキを訪ね絵を渡したのではないかと。また、トキに求婚したかもしれません。しかし、トキは、時子への想い(いろいろ複雑な)があり、求婚を受け入れることはできなかった。

 ノートに語られていない「後悔」が、トキを泣かせたのではないか。しかもそのことをノートに書けなかった。自分が死んで後、ようやく孫に箱の中の手紙を見せることで折り合いをつけた。と考えたのですが、どうでしょう。

感想4 松たか子は大女優です

 私が、言うまでもなく、松たか子はすばらしい女優です。彼女の出演した映画に「はずれ」はありません。

 トキが、いなかに帰るとき、見送る時子の表情がすべての「謎」を「謎のままでいい」と訴えるようにもとれました。「あなたの結婚相手を必ず見つける」と感情的に話したときとは、あまりに違う冷静(冷徹?)な別れは、「いろいろなふうに解釈してもらっていい」という決意の表れのようなシーンでした。

 <以上 クマ でした>

「ゆめのかよいじ」の監督の作品が上映されます

栃尾で撮影された 五藤 利弘監督の映画「モノクロームの少女」が5年ぶりに栃尾で上映されるそうです!

3月8日(土)午後2時10分から

場所は栃尾産業交流センター「おりなす」(長岡市栃尾宮沢1765番地

 

ゆめのかよいじ

長岡市栃尾を舞台にした映画です。

監督も長岡市出身で、地元に思い入れがある作品です。

大野安之さんの同名のコミックを原作としていますが、ファンタジーな作品に仕上がっています。

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映画『ゆめのかよいじ』予告編 - YouTube

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